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理事長あいさつ・所信

はじめに

「誰もがまちを愛し、住み続けたいと思えるまちをつくる。」これこそが青年会議所の活動の根幹にあります。人は人で磨かれ、その人が組織を作り、組織がコミュニティーを形成し、社会を構成していく。この好循環が明るい豊かな社会を実現する要素となり、青年会議所活動の意義だと捉えています。力強い運動を展開していくためには決して一人では達成することができず、多くの方の力を結集することではじめて大きな運動を起こすことができます。
かつて10年連続人口増加率日本一を誇った三田市も2013年をピークに現在に至るまで減少傾向にあり、これに対して人口減少に負けない強いまちづくりが進められてきました。そんな中、三田市は2020年から続いた新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けましたが、感染症法の位置付けが第5類に引き下げられ、社会経済活動が再開されてきました。
一方、三田市政も8年振りに市長が交代し新たな市政運営が行われていきます。これらのように三田市も大きく変わろうとしています。そのような変革の年だからこそ地域を牽引するまちづくりのリーダーとして青年会議所が行動を起こさなければなりません。三田青年会議所は昨年度で55周年を迎えました。
これも先輩諸氏がその時々のまちの社会課題に真摯に向き合い取り組んできた実績と歴史があるからに他なりません。その想いを、60周年を見据え、さらには未来永劫続く組織へとつなげていく一年にして参ります。

地域を牽引するまちづくりのリーダーとしての地位の確立

三田市内では、多岐にわたるまちの課題に対して行政をはじめ多くの諸団体が取り組んでいます。三田青年会議所も長きにおいて不断の努力を続けてきました。複雑化する社会の中で予測困難な課題に対して縦割りの活動をするだけでは解決できないものがあります。
これを解決していくには諸団体が協働しながら取り組んでいくことが必要であり、その中において、リーダーがいなければまちづくりを強力に推し進めていくことはできません。そのリーダーとなる存在が青年会議所であるべきです。
地域のまちづくりを牽引するリーダーとしてのポジションを確立するためには、今以上に我々の運動に共感、賛同していただく仲間を増やしていかなければなりません。青年会議所は、明るい豊かな社会を実現するための仕組みを構築する団体です。そこで、青年会議所が起点となり行政や諸団体との連携を深めることで、運動の幅を拡張していく事業を展開して参ります。

青年会議所活動とビジネスがリンクする機会の創出

青年会議所は青年経済人の集まりであり、多くの方が事業をしながら青年会議所活動をしていますが、これらは別々のものではなく延長線上にあるべきものです。短期的に売上げに繋がらなくても、中長期的には活動を通じて学ぶことができる組織論、人財育成、ビジネス構築、事業構築、財務などは、必ず事業を発展させる土壌をつくります。そんな事業の成長、発展には青年会議所活動で培ったスキルを最大限活用していく必要があり、さらに、活動がどう自社に活かせるのかの具体的なイメージが出来なければなりません。
そこで、青年会議所活動をビジネスにつなげていく機会を創出することで社会課題の解決と自社の発展へとリンクする事業を展開していきます。青年会議所活動をすることで自社が発展していくことを実感し、持続可能な青年会議所活動へとつながっていきます。

まちを想い行動を起こす未来の担い手の創出

三田市は、北摂三田ニュータウンの開発に伴い、昭和62年から平成8年まで10年連続で人口増加率日本一を達成するなど急減な人口増加をしてきましたが、平成24年以降は社会減に転じ、年々人口は少しずつ減少してきています。この人口減少の大きな要因は若者の転出にあります。実際、三田市が小中高生に実施したアンケートによると将来三田市に住み続けたいと答えた方は2割以下となっています。これは、青少年が市内の魅力や可能性を見出せていないことが原因であり、この課題を解決するためにはまちへの愛着を深めるだけにとどまらず、まちに対して考え、行動を起こす人財へと成長することが必要です。
そこで、次代を担う子どもたちに対して、自身が住むまちを知り、自身に何が出来るかを考え、明日からの行動を変えるきっかけとなる事業を展開していきます。そうすることで、子どもたちが自身の住むまちの未来について考え、行動を起こす未来の担い手となっていきます。

志を同じくする新たな仲間との出会いの創出

青年会議所の活動の資本は人です。より多くの会員が集うことでより大きな運動を展開していくことができます。青年会議所は40歳までという限られた期間の中で活動する組織であることから密度の高い活動が出来るという一方で、継続した拡大活動をしなければ活動の幅が制限されてしまいます。また、入会後も積極的に参加する会員であるためには、入会時に青年会議所の理念に共感していただくことが必要となってきます。より効果的な拡大活動をしていくためには、会員全員が理念を共感できていなければなりません。
そこで、入会時の想いや動機、入会後得たこと、青年会議所が何を目指しているのかについて現役会員全員がまだ見ぬ同志に伝え、仲間として受け入れる拡大活動をしていきます。その結果、人が人を呼び、自然と同志が集う組織へと発展していきます。

持続可能な成長を促す仕組み作り

青年会議所は、新入会員を迎え入れることにより会員の新陳代謝が起こります。また、単年度制であり毎年組織内において担う役割が変わっていきます。そのような状況下で、活動の効果を最大化するには会員全員が青年会議所活動の意義を理解できる仕組みを作っていく必要があります。そのサイクルを通じて、青年会議所のことをより深く知り、「奉仕」活動の意義を理解し、大きな社会課題の解決へ「修練」の場として挑むことで本当の「友情」が育まれていきます。
そこで、青年会議所の活動の意義を学び、能動的に取り組む人財へと成長する事業に取り組んでいきます。それが、会員の成長を促し、三田青年会議所をさらに発展させていくことにつながっていきます。

共感を生む時代に即した情報発信

現代ではSNSを代表するように誰でも自由に情報発信が出来るようになってきました。発信方法にはAIが活用されるなど目を見張るデジタル化の進歩があり、毎年のように新しい情報発信ツールが生まれています。このような変わりゆく時代の流れのなかで最早唯一無二の手法は存在し得ません。青年会議所活動を発信していくことが共感を生み、活動を運動へと昇華させることにつながっていきます。そして、共感を生むためには、活動の目的が相手に伝わることが必要となってきます。さらには発信する情報の特性に合わせて選択していかなければ効果的に相手に伝えることはできません。
そこで、デジタルメディアの調査研究および青年会議所活動の情報の性質と広報ツールの組み合わせを戦略的に発信し、その効果を検証して参ります。このような戦略を立てて、効果検証を繰り返していくことが、我々の活動の想いを共感していただく市民を巻き込んだ運動へと昇華していきます。

健全な組織をつくる

青年会議所は各会員の時間と会費を使って活動を行っています。それゆえ、それらをどう使うのかについては責任が伴います。力強い活動を行い、運動を展開していくためには、その責任を自覚し、効率的かつ効果的な運営をしていく必要があります。
そこで、すべての議案書を事前に精査し、議論の本質に集中できるようにしていきます。また、予算について目的に合った効果的な利用ができているかの審査をしていきます。そうすることで、三田青年会議所の健全な組織運営がなされ、ひいては、三田市の明るい未来をつくっていくことにつながっていきます。

むすびに

私は、2017年に三田青年会議所の門を叩きました。入会当時はまちづくりの意識が特別強かったわけでもなく誘われるがまま入会したことをいまでも覚えています。入会して青年会議所活動をするにあたり、先輩諸氏の本気で自分たちの手で地域を良くしていこうという想いに触れていくうちに私自身も真剣にまちのことを考えるようになりました。
青年会議所は、このように一人また一人とまちを想う人財に成長させてくれる組織であり、こうした好循環を生み出していけるのが最大の魅力です。
いつの時代も若者が行動を起こし、次第に周囲を巻き込み大きなムーブメントをつくっていきます。本年度は、あらゆる人たちと手と手をとり助け合い、多くの志を同じくする仲間とともに歩み、先行きの見えない未来へ向けて誰もが前向きになれる新たな時代を創造して参ります。