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理事長あいさつ・所信

はじめに

一般社団法人三田青年会議所は、創立50周年という節目に、日本青年会議所近畿地区兵庫ブロック協議会が開催するブロック大会の主管を初めて成し遂げ、翌年にはブロック副会長を輩出、会員数も50名の大台を突破するなど県下でも存在感を高める順調な歩みの中で、昨年、新型コロナウイルス感染症の苦難を迎えました。世界中を巻き込んだ災害であり、三田青年会議所史上かつてないほどの衝撃とも感じられたコロナ禍においても、30名を超える会員が踏みとどまることができたのは、これまでの経緯があったからに他なりません。あらためて、先輩諸賢が各時代における社会課題や先を見据えた人財育成に取り組み、積み上げられた時間と熱意の延長線上に、自分達が立っているのを実感するところです。 その一方で、我々が活動の拠点とする三田市は、かつてニュータウン開発により10年連続人口増加率日本一を達成した反動により、世界でも類を見ないほど急激な高齢化が目前に迫っており、コロナ禍と合わせかつてない危機に瀕していると言えます。戦後、焼け野原からの復興以来、阪神淡路大震災、リーマンショック、東日本大震災等々、幾度となく、混沌とする時代の局面に率先して立ち上がり、情熱と行動力で可能性を切り拓いてきた青年会議所の一員として、「ポストコロナ」と呼ばれる新たな社会の構築が、三田市の危機を脱する道に通ずると捉え、確かな一歩を踏み出して参ります。

青年会議所のあるべき姿

我々の特徴は、「利他の精神でまちづくりを行う青年の団体」という点にあると考えます。
「利他の精神で行うまちづくり」とは、個人の自立性を尊重しつつも、社会の公共性との調和を目指した考え方であり、言い換えれば、目先にある自己の便益に執着するのではなく、大空を舞う鳥のような高い視座から社会をとらえ、全体の利益を最大化するという考え方です。その大切さを認識している市民は多くとも、それを一人で実現することは難しく、また、一から同志を集めることも容易ではありません。
我々青年会議所は、まさにそれを実行するために先人から引き継がれている場所であると理解することができます。
近代化とともに、他者と直接的な関わりがなくとも不自由なく生活できるようになったことで、共同体は衰退し、個人主義・利己主義化が進んできたと言われますが、対面や接触を避けることが重要とされたコロナ禍を経て、ポストコロナ時代にはそれがよりいっそう進行することも懸念されます。
我々は、地域のリーダーたる決意と誇りを胸に、このような時代だからこそさらに強く「利他の精神で行うまちづくり」を進めていかなければなりません。
このような信念も、単に掲げるだけでは決して広がらず、自己満足に留まってしまいます。
信念を伴った言動に責任を持ち、成果をあげることに意識を向けなければなりません。
我々の活動・運動が、地域を巻き込み確かな爪痕を残すことで影響力を纏い、それが内部においては更なる会員意欲の向上につながり、外部においては注目や尊敬とともに新たな同志を集め、活動・運動を持続可能なものにするのだと考えます。
ただし、「責任ある言動」とはいえ、我々の責任は「失敗が許されないこと」ではなく、むしろ、失敗の経験も確実な振り返りのもとで成功の礎にすることのできる「青年の団体」として「失敗を恐れない果敢なチャレンジ」が期待されていると確信しています。
失敗をするかもしれない事業、失敗を恐れて他者ができない事業に果敢に取り組み、全員で成果を上げて参りましょう。 そのうえで、本年度は特に下記の3点を基本的理念に据えて活動・運動を展開していきたいと考えます。
まず何と言っても、本年は「ポストコロナ元年」です。
これまでの常識が通用しないという前提に立ち、ゼロベースで従来の全てを見直しながら事業を構築して参ります。
次に、コロナ禍で会員も大きなダメージを受け、組織として絶対的なパワーが低下していることは否めません。
そこで、現存する資源を集中させ、本質的な活動・運動に効率よく注ぐことにより、厳しい状況下でも持続可能な組織運営を目指します。
そして、三田青年会議所には、奇跡的に類まれなる才能が集っています。
このような状況だからこそ全員が十分にその才能を発揮し活躍できる場所とするために、お互いのことをより深く知り、認め合うチーム一丸となって課題に向き合って参りましょう。

まちづくり

我々が活動の拠点とする三田市は、豊かな田園地帯と、賑やかで歴史ある旧市街地、ニュータウンやテクノパークを代表とする新興住宅・工業地域といった特色ある地域から成り立っています。
ニュータウンやテクノパークには計画的に整備された街並みが広がり、効率のいい暮らし・経済圏が形成されています。賑いは生活を豊かにし、歴史は他都市にないアイデンティティの拠り所ともなります。
田園はかつての「不便」や「洗練されていない」といった負のイメージから、「安心な食べ物」や「おいしい空気」といった都市にプラスのイメージを与えるものに変化しています。
しかし、各地域に住む市民は他の地域についてどれだけ理解できているでしょうか。
もし、十分な理解ができておらず、自身の暮らすまちの魅力を実感する機会や人に伝える機会が喪失されているとすればそれは市民にとってもまちにとっても大きな損失に他なりません。
三田市が有するこの住環境の多様性こそ最大の魅力であり、他地域に勝る強みであると考えます。
新型コロナウイルスの登場により一変せざるを得ないポストコロナ社会は、人々が集まることで効率を求めた「密」を旧型へと押しやり、ICT等の先進技術を最大限活用した「疎」による効率化を求める側面もあり、「消滅可能性都市」と呼ばれた地域にも、挽回のチャンスが巡ってきたと言われています。
三田市におけるニュータウンの先駆けとなるフラワータウン開発から40年の節目となる本年、各地域に存在する様々な魅力を発掘するとともに、この多様性に富んだ素晴らしい住環境を共有し、市民が一丸となり、市外にもPRし多くの人を引き付けるような取り組みを行って参ります。

人財育成

「まち」を構成し「まち」を動かすのは一人ひとりの「ひと」であります。
そして、我々青年会議所は様々な活動団体をつなげ、ともにまちづくり活動を行う起点になりたいと願っています。
そのためには、会員一人ひとりが資質を高め、才能を十分に発揮することはもちろん、進むべき方向性を会員全員で共有し、大きな影響力を持つことが重要です。
まずは、理事を含めて入会歴の浅い会員も多く、特に昨年はコロナで大幅に活動が制限されたことも考慮して、いま一度内部での想いを一致させ多彩な人材を束ねて参ります。
そのうえで、さらに活動を強化するためには新たな会員を迎え入れることも重要です。
我々の想いを伝えたうえで、行動を共にし、共感を得て、まちづくりの同志を増やして参ります。
また、異なる考え方を受け入れることも大変重要です。
数あるまちづくり団体の「リーダーとして在りたい」との気概は持ちつつも、我々は決して「唯一無二の存在」や「最も優秀な団体」であるとおごるものではありません。
三田市には高い意志と行動力を備えたまちづくり団体が数多く存在し、この人財力は三田市の魅力の一つであるとも言えます。
これら他団体との交流や協働が、我々の目指すまちづくりに寄与するのであれば、とことん力を合わせて目的を達成するべきだと考えます。
ライフスタイルや価値観の多様化している現代において、地域で全体の利益を最大化するためには、「最大多数の最大幸福」すなわち、より多くの市民の幸福を実現する必要があり、そのためにはより多くの個性を結集して臨むことが有効であって、その交流や協働のなかにも会員の新しい気づきや成長につながる機会が溢れているからです。

戦略的広報

情報化社会と言われて久しい現在、本人が意識して求める情報以外はほとんど届かないという、広報をする立場からみれば非常に難しい時代に突入しています。
同時に、このような状況は、目の前の情報が常にアップデートされ続け、一つの情報に対して十分に思考を深める時間的ゆとりを奪われることで、人々が情報に振り回されてしまい、自身の大局的な視点を育てる機会が失われた結果、真に必要な情報を取得できないということにつながりかねません。
このような時代だからこそ、我々はこれまで以上に団体としての信頼性と広報力を高め、青年会議所活動に対して意識がない市民に対しても、我々が価値のあると信じる情報を届ける必要があると考えます。そうして、市民の共感を得られたなら、それは我々のまちづくり活動を加速的に後押ししてくれる存在となり、一丸となって社会を変えることができると信じます。
情報化社会の進展は、一方で、どんな地方の情報でも世界を変えるパワーを持っていれば、即時に世界と共有され、それが現実のものとなっていくという可能性を与えてくれました。
これまでの広報活動を否定するのではなく、十分な検証をもとに新たな角度から戦略的な広報活動を展開して参ります。

むすびに

我々は、昨年「進化」をスローガンに掲げ、コロナ禍をも乗り越えて参りましたが、それを支えて下さったのは個々の会員家族・家庭であり会社・社員であることを忘れてはなりません。
我々の住む日本は災害列島と呼ばれるほどに大昔から数多の自然災害に曝露されてきました。
その度に、各個体がつがいや群れ・家族という共同体を礎に「種の保存」をかけた数えきれない「進化」が繰り返された結果、日本の自然界における生態系は世界でも有数の多様性を獲得するに至ったと言われています。
多様性に富む生態系はしなやかで強靭です。
共に社会をつくる市民・家族・会員・従業員、全ての仲間と多様性に富んだ「チーム」を構築し、目の前にいかなる困難が立ちはだかろうと、大空を舞う鳥のように視座を高め、しなやかかつ強靭で「明るい豊かな社会」の実現を目指して参りましょう。